精子の構造と役割
精子の「先体反応」についてお話ししましたが、そもそも精子とは何なんでしょう。体細胞の中で「運動性を持ち泳げる」だけで、ほかの細胞と全然違います。形は楕円形に近い頭部を持ち、その後ろに「尾部」と言われる「しっぽ」が付いています。
このしっぽ(尾部)は、「目的地(卵子)への推進力」「卵子の周りの細胞をはがし、卵子に侵入する」ために備わっています。
ワニ、オタマジャクシなどしっぽが明確にわかる動物は、しっぽを「くねらせて(横に波打たせて)」進みます。ウナギやウミヘビなどどこからしっぽかわからないのも体全体をくねらせて進みます。これもほぼ横波ですね。
さて精子ですが顕微鏡で見るとワニなどと同じようにその尾部をくねらせて進んでいるように見えますが・・・。実は「らせん運動」しています。精子全体をスクリューのように使っているといえますね。この力を生み出しているのが尾部です。これによりロスの少ない推進力が得られています。(ここにリンクを張るわけにはいかないようなので、「精子 らせん回転 動画」と検索すると面白い動画が見られます。)
「精子は回転しながら前進」 300年以上の定説を覆す イギリスなど研究(2020年8月3日) – YouTube
精子の尾部は、卵子までの長旅を支える一本の強い鞭でできたスクリューと思ってください。