胚培養士です。一卵性の双子 その2

前回「ストランド」による一卵性双胎の発生について書きましたが、予告通りにもう一つの原因についてお話ししようと思います。

 

子宮に着床する時点になると、胚は「透明帯」という胚を保護してきた膜を破って胚自体が脱出してきます。こうならないと着床ができません。また、後に胎盤になる胚盤胞のTEと呼ばれる細胞が子宮内膜の細胞にくっつき、着床が成立します。この透明帯から脱出する現象をハッチングと呼びます。

上図のように、透明帯から出てきて子宮内膜に着床します。

ハッチングに時間がかかってしまい、運悪く、将来赤ちゃんになるICMという細胞集団が、透明帯によって分断されてしまうことがあります。

二つになったICMはそれぞれが胎児へと発生していき、双子となっていきます。

以前にお話ししたストランドによる双子の発生と、今回のICM分断による双子の発生。どちらも胚盤胞の時に起こる現象です。

 

「精子が2つ入っても双子にはならないということを記事にしたなら、双子になる原因も言及しないと」という指摘に

応えてみました。

いかがだったでしょうか?

 

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